2014年06月05日

竺仙さん来店。そして聞いてみた。300万の江戸小紋?

 東京から遠路はるばる5時間半かけて、竺仙の浅井さんが田舎町までやってきた。

 段ボール3杯の荷物を携えて(笑)

 竺仙さん来店。そして聞いてみた。300万の江戸小紋?

 竺仙さんといえば、当店では浴衣・江戸小紋がメインですが、実はもう1つ。

 江戸刺繍というジャンルの物を仕入れさせていただいております。

 江戸刺繍は、京刺繍に比べてこぢんまりとして密度が高く、付下げや染帯にポンポンと飛んだ柄付けで用いられることが特徴になっています。
 こちら付下げの前身アップ
竺仙さん来店。そして聞いてみた。300万の江戸小紋?

かたや染帯のタイコ部分
竺仙さん来店。そして聞いてみた。300万の江戸小紋?

 付下げの柄も、京友禅と刺繍の場合は、白く染めた無い部分も何らかの色を差すのが通常ですが、ここらあたりがシンプルさを好む江戸っ子気質の現れでしょうか。


 そして、今回も色々な江戸小紋を。

 まずは唐桟縞。普通の縞が1枚の型紙で糊置きして染めるのに対し、唐桟縞は2枚または3枚の型紙を用いて、縞と縞の間に別の太さと色の縞を染めます。

 竺仙さん来店。そして聞いてみた。300万の江戸小紋?

 アップにすると濃い縞の間に薄い色の縞が染まっているのがお分かりになるでしょうか
竺仙さん来店。そして聞いてみた。300万の江戸小紋?

 そして今回久々に現物を見たのが、こちらの「微塵」という超極細の縞。(黒い方。比較のために横に紫の玉縞を置いて撮影しました)
竺仙さん来店。そして聞いてみた。300万の江戸小紋?

 20年前に最後の型紙が終わって、この世から完全に消えたと思われていた「微塵」ですが、数年前に型紙が1枚見つかって大事に浅野さんが染めた1反です。

 アップの画像だとこうして縞であることが分かりますが、通常の肉眼ではなんかまだらに染まった無地?のようにしか見えません。それほどまでに細い縞です。

 ここまでトンデモナイ仕事ですと、さすがにお値段の方も当店で90万円ほどになってしまいます。今から20数年前に当店で竺仙展を開催した時は(この時は微塵縞が数点ありました)確か78万円だったはずですが。

 で、最近うちのお客様のご友人の方が、豊橋の某K呉服屋さんで300万円の江戸小紋を買ったという話です。

 300万…一体どんな江戸小紋なんでしょうか?

 今では誰も彫ることの出来ない、故)児玉博氏(人間国宝)の彫った微塵の型紙を、縞の江戸小紋手付け染め師として現代の名工の称号を持った浅野栄一氏が小石丸の生地に染めて90万。その3倍以上ですか~。へ~ふ~ん。

 ちなみに竺仙さんに色々聞いてみましたが、人間国宝・小宮氏の江戸小紋でも100万もしないですよ、という話ですし、以前竺仙で見た本場結城紬の地機で織った無地の生地に浅野さんが縞を染めるという離れ業を行った物でも180万円以下。(生地だけでも75万円ほどします)

 300万ですか…K呉服店からは姪っ子に振袖の案内状をいただいていることだし、遊びに行って聞いてこようかなぁぁぁ(笑)

 







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この記事へのコメント
はじめまして

 読ませていただきました。
 唐桟ですが、唐桟はもともと江戸時代に現在のチェンナイ付近・マドラスあるいはサントメといわれた港から長崎の出島経由で入って来た綿織物を出港地のサントメを漢字にした桟留を前提にし、サントメから出荷された綿織物のまがい品が出回り、舶来品の桟留とまがい品と区別して唐渡の意味で唐桟留が略された言葉です。
 桟留縞は現在のインディアマドラスと同様のもので、先染めで後染めではありません。
 わかっていて書いているのなら、別ですが、扱っている商品の紹介としては不適切なように思います。
 雑談で私も桟留について右記に言及しています。
http://tokosabu.dosugoi.net/e989330.html
 知っていて書いていると思いますが、参考までに
Posted by 柴田晴廣柴田晴廣 at 2017年09月08日 19:58
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