2019年10月30日

秋真っ盛りですが

 個人で京都のアチコチから色々と珍しい物を持ってきてくれる取引先の方から、こんな物を買ってしまいました。

秋真っ盛りですが

 本羅の着尺です。はい、ご存じの通り夏物ですね

 生成りで織られた本羅の着尺。滅多にお目にかかれる代物じゃございません。

 しかも、糸が絹とぜんまい(山菜の)の混紡でございます。

秋真っ盛りですが

 通常、八寸帯などで粗く織られた「紗」を「羅」と称して世に出ることが多く、本羅の帯ですらごく一部の専門店にしか入ってきません。

 制作元の野崎織物は、京都上京区にある小さな会社ですが、実質家内制手工業。

 現在呉服業界で本当に良い物を作っている所は皆、このスタイルだと思います。

 大変貴重な物なので、都会では高級外車と同じ値段で売られているとか、取引先の方から聞きました。(当店なら国産ファミリーカーですが。←まぁそれでも高額品には間違いないですけど)

 羅は経糸同士が捩り合って(金網フェンスを想像してください)、その捩り合っている経糸の交差点に緯糸が通る構造になっています

秋真っ盛りですが

 野崎さんの本羅は、経糸が4本向こうまで捩り合いながら戻る構造です。

 2本向こうに捩り合って戻ってくる、この野崎さんの本羅よりシンプルな構造の物の方が有名だったりしますけどね。

 本羅で貴重。さらに着尺で稀少。さらにさらに、ぜんまい織りで訳ワカラン。

 この天然記念物、ご覧になりたい方は是非当店まで足をお運びください。当店は基本いつでも見るだけOKな家族経営の田舎店なので遠慮無くド~ゾ!



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Posted by マッチョな呉服屋 at 11:11│Comments(0)和の美夏物織物
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